5月3日(日)  スピッツは、亀の恩返しという正夢を響かせた


 17時35分より万感の拍手の中、めでたく開幕した「亀の恩返し」。この日も前日同様、メンバー自ら「僕らハウスバンド2ですから」と語るスピッツが登場しました。
 開幕のスクリーンで鶴田真由が「ここは武道館ですが、なんとも手作りなほっこりしたライヴができました」とアナウンスしてくれましたが、まさにそんなイベントのオープニングにふさわしいバンド、スピッツ。まずはギターのテツヤが両手を高く上げて拍手をしながら登場しました。

 昨日は青いシャツで登場した草野マサムネが今日は黄色いシャツに一新し、まずは“春の歌”を爽やかに、鮮やかに歌いました。
「ようこそ亀の恩返しへ。GWどうっすか? 思い出の一ページになるようなイベントにしていきたいので、よろしくお願いします!」と話すマサムネの言葉に乗っかって、崎山のドラムがドコドンッと鳴る。“チェリー”である。あーもう、お客さんのほころぶ顔が一面に花咲いて、いきなり最高の空間、完成です!
 スピッツのライヴはいつも照明が素晴らしくて、光を浴びているだけで最高のポップとアートを満喫できるんですが、この「亀の恩返し、照らしたいチーム」も負けちゃいません。特別なデザインのステージを立体的に、そしてロマンティックに照らす最高の光が、みんなの大好きな名曲を灯していきます。
 というわけで、そこからはスピッツ独自のロックンロール恩返し。もう、ベースの田村の危なっかしいけどスペクタクルなアクションが、武道館全体にアクティヴな一体感をもたらしています。そんなソリッドなバンドサウンドに、真っ向からしなやかに絡むのが、金原千恵子率いるストリングスチーム。ストリングスはスマートかつバラッドやクラシカルな展開に混ざるものだなんて誰が決めたんだ?とばかりに、見事に慄然としたサウンドがロックンロールを奏でます。はい、そう、ここは自由な音だけが集まる楽園です!
「たまにはセンターじゃない場所で歌ってみたいな」というマサムネの要望が叶い、今回は彼が左に、中央にギターのテツヤがいる。テツヤがどうにも嬉しそうだ。これはマサムネからテツヤへの、「いつも最高のアルペジオをありがとう」という恩返しなのか?
「でも実は僕(マサムネ)の場所が空間全体ではセンターなんだって」というオチをつけ、悔しがるテツヤを尻目に始まったのがマサムネならぬ、“正夢”。
 美しい。ただただ、儚くも至福な調べが、美しい。何故スピッツが独自のスタンスを貫きながら、この国のロックとポップの境界線を司る重要なバンドでい続けるのか?その魔法の一欠片を聴かせてもらった気がした。

 最高の「亀田誠治の代弁者たる音楽」だった。

@ 春の歌
A チェリー B メモリーズ
C 水色の街
D 正夢


鹿野 淳(MUSICA
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