5月2日 (土) さすが、貫禄の下ネタまで披露! 圧巻のJポップダイナミズム、平井堅でございます



 絵本作家の荒井良二さんのイラストによる大宮エリー作の「グミとさちこさん」が幕間映像で流れました。ここにある「まずココロから」という名曲にふさわしい黄色と青が印象的なイラストが、武道館の宇宙を駆け抜けます。素晴らしいアートとアートは、言い訳一つしないで、お互いに気持ちよく寄り添う、そんなことをこの幕間映像とライヴが教えてくれます。

 そして。
 もう、彼がステージに上がった瞬間から、おおきなどよめきが上がりました。
 平井堅の登場です。

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 亀田誠治は僕によく「Jポップ」が大好きなんです」と話します。これはすなわち「いい歌、いい歌唱が好きだ」という話になります。
 今や、「日本のポップミュージック」というカテゴリーは完全にスタイルとして確立しましたが、それは「いい歌をいい歌唱で伝える素晴らしいヴォーカリスト」がこの10年間の中で生まれてきたからです。
 その中でもこの平井堅の登場は、「歌をじっくり聴く喜び」を、僕らの音楽室にもたらしてくれました。そんな彼こそ、亀田ワークの中の最高の結晶の一つだと思う意見に異論を挟む人はいないでしょう。そんな2人が、珍しくライヴで絡むことも、この上ないプレシャスな「亀音独占プレゼント」です。

「僕と亀田さんのお付き合いは“大きな古時計”から始まったんですけど、いろいろな曲を一緒に作ってきました。そんな亀田ワークスを今日は歌いたいと思います。武道館ボーイズ&ガールズ、元気ですか? 僕の『亀』も元気です!!!」と声を裏返してまで言いたかった一言が、実はこのイベント初の「シモトーク」となった。さすが、腰の据わったデンジャラス・ガイ、平井堅である。
 そんなMCがなかったかのごとく、1フレーズ歌っただけで、いきなり景色が再び変わった。圧倒的な「地声」の強さ、粘り、そして実はとんでもなくシャープな角度で磨かれたヴォーカリゼイション。完璧な「歌というアート」が、武道館を感極めさせている。静かに静かにな泣いている人がなんと多いことか。

「次の曲は僕の預金通帳にも影響を及ぼした――あれ、ウケなかったですね(苦笑)。この空間にふさわしくない発言でしたかね。でもそんな曲を、この亀音バンドと90’Sアレンジでおおくりしようと思います。聴いてください」
 そう、平井堅の運命を変えたといっても過言ではない、“楽園”である。たしかに彼の言う通り、「アーバン」で「ラグジュアリー」なアレンジに生まれ変わっている。はっきりって、どんなアレンジでも自分の歌にできる平井堅が、この日の新しいアレンジととことん楽しんでディープな恋愛をしている、そんなハウスバンドと堅ちゃんのセック――いやいや、つられちゃいけません、コラボレートでした。

 最後に「僕をギュッと!」と愛らしく歌い、そして歩き回り、ピョンピョン跳ねる絶頂堅ちゃんがアリーナを“POP STAR”として席巻し、颯爽と帰っていった。深夜に及ぶ過酷なレコーディングが終わった後、「まだ歌い足りない」と話して、1人カラオケに勤しむ男、平井堅。その歌への万巻の想いを、亀田誠治という翼をはためかせながら歌い上げた見事なライヴだった。

@ 瞳を閉じて
A 哀歌(エレジー)
B 思いがかさなるその前に…
C 楽園
D POP STAR

鹿野 淳(MUSICA)
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