5月3日(日) 夜空の向こう側が見えた。音楽のグルーヴの向こう側が見えた。ありがとう、スガシカオ!!



 幕間映像の最後にあたる若木信吾撮影のスチールストーリー、『調教師』。大宮エリー独特の「笑って泣ける」物語が武道館を浮遊している「ありがとう」の気持ちを、ギュッとまとめ上げます。そして、「出会うことは、最大の感謝なのかもしれない」という少年のナレーションによって映像が終わった直後、ステージには、1人の男の姿が。
 お待ちかね、スガシカオのはじまりです。

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 スガと亀田のツーマンショウは、意外なほどしっとりと始まった。いい具合だ。音楽がしっとりと頬を撫でてくれる。
 しかし、最初のMCで景色がガラッと変わっていった…………。

スガ「ある男性アーティストが、昨日『僕の股間の亀も元気です』というMCをして、軽くドン引きされたらしいけど」
亀田「股間とは言ってない!」
スガ「そう(笑)、でも亀田さん、カラオケが好きらしいじゃないですか。しかも“歌舞伎町の女王”を歌うそうで。ここではなわ張りにベースヴォーカルで歌ってください。はい、1,2,3!」
亀田「……セミの声――はい!」
スガ「凄いなあ、亀田さん。亀田さんと一緒に僕がやったのは、ロックテイストが欲しかったからなんです。でもその頃、しばらくロックをやっていなかった文で『スガにロックはいらない』とか、『スガに亀田はいらない』って書き込みが溢れまして」
亀田「ってわざわざ俺に言ってくるんだよね、この男は(笑)」
スガ「いやいや、それでも僕が亀田さんが好きで必要なんですよ!って伝えたかったんです。だから、ここでロックをやっちゃいましょうよ!!!」
 一万二千人を前にこの会話である。もう、それ自体がロックそのものである。
 “Hot Step Dive”というタイトルである、スガも亀田もモニターに足をかけ、ワイルドなパーティーモード全開!だ。さすがスガちゃん、リハーサルで念入りにステージでのステップの踏み方や「乗っていいとこ、悪いとこ」をスタッフに時折怒られながら試していた甲斐があったよね。次の“コノユビトマレ”という、スガ節最高なフィラデルフィアソウルも恐れをなして逃げるような(嘘)最高最強のファンクチューンを、三つのステージを駆けずり回って歌い上げている。勿論、亀ちゃんもビキビキに動き回っては、クルクルしてます!!
 拳が入りそうなほど大きく口を開けて「ラララー♪」と歌い叫ぶ、音楽ファンの姿を観て満足げなスガシカオ。あんた、最高の男だ。
「本編的な流れでは、僕が最後になるんですけど、1人で責任を被るのが嫌なので、仲間を呼びます。あーやーかー!!」
 呼ばれてピョーンと絢香が登場する。
スガ「俺、あまりデュエット慣れしてないから、緊張していて……おまけに動悸息切れが……」
絢香「大丈夫ですか? 水飲んでください」
スガ「デュエット慣れしてるよね? こんな人達と一緒にやって(コブクロをマネる)」
絢香「はははははははははははははは。割とデュエット慣れしてます」
スガ「緊張するなあ。難しいコードとか弾けないけど、いきましょうか」

 といって、スガがガットギターをつまびき始めた。
 この時点でもう、みんなこの曲がなんなのかをわかって、嗚咽に近い歓声が上がる。 “夜空ノムコウ”
 最高のメロディと最高のリリック。最高の声と最高の声。最高の上音と最高のリズム。
 最高だけが集まった、最高のセッション。
 音楽はすべてを変える。
 いや、音楽がすべてを変えた。
 このとき、この音楽との出逢いに、ありがとう。

@ 春夏秋冬
A 真夏の夜のユメ
B Hop Step Dive
C コノユビトマレ
D 夜空ノムコウ

鹿野 淳(MUSICA)

5月3日(日) “ありがとう”という新曲を、亀田と一緒に産み落とした絢香



 次のアクトが始まる前に、今度は幕間映像ではなく、亀田からのご挨拶がありました。昨日に引き続き、とても丁寧な、でもとえも短い「ありがとう」というご挨拶。今日も主役は僕じゃなくて、この人たち、そしてここにある歌なんだよ」とばかりに、すぐに次のアクトを紹介します。
「衝撃の出逢いがあって、そして一緒にレコーディングもしました。紹介します、絢香!!!」
 真ん中にあるストリングス隊の前に、絢香が立っていました。多くのお客も絢香を全身で歓迎します。

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 絢香の歌を、ライヴを聴いていると、僕は少年時代に彼女と夜遅くにこっそりと電話で話し合った日々を思い出します。甘酸っぱくて、それでも不安ばかりが頭の中を駆け巡って、だからこそ、その愛を差し出すような「僕だけの声」で話してくれる彼女の声がすべての支えになって――失礼しました、でもそういう「絶対的な声」ってあると思うんです。絢香の声は、歌は、まさにそれだと思うんです。だからなのか、真摯な気持ちで精一杯歌う絢香を、客席のみんなは唾を飲み込みながら、瞬きすらせずに愛しき眼差しで見詰めています。これもまた、最高の「音楽による愛し合い方」なのです。

「なんかこの距離感が、もの凄く緊張します」と言いながら、絢香が亀田にどんどん近づいてきます。

絢香「最初はとても怖い人だと思ってたんですけど」
亀田「なんで怖い人だと思ったの?」
絢香「「いや、偉い人はみんな怖い人だと思って」
亀田「ははははははははは!」
――始まりました、2人の漫談。
 そして2人でスタッフが帰った後も一緒にいろいろ話しながら作った曲を披露するという。
「ありがとうって気持ちにはいろいろな意味があって、そのことについて歌おうと思って作りました」
 絢香と亀田が出会ったからこそ生まれた新曲、その名は――このイベントと最高のシンクロを起こしているタイトル、“ありがとう。”だった。

 伸びやかな絢香が「ありがとう」というサビでありったけの力を使って、声を張り上げる。こんな大きな気持ちで、大きな声で「ありがとぅー!」って言われたら、どんなに毎日が美しく塗り替えられるのだろうか? そんなまっさらな新曲が、絢香によってここに披露されました。

「いやー、緊張しました。でも歌えた喜びでいっぱいです。……次の曲で最後です――ここで『えぇぇぇー!?』って声を期待していたんですけど、全然誰も言ってくれません(笑)」と話した途端に、割れんばかりの
「えぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!!????」。
天真爛漫とはこの笑顔のことを言うのだという笑みを浮かべ、絢香は最後の曲に向かった。

 “三日月”。
「がんばっているからねって 強くなるからねって」
「つながっているからねって 愛してるからねって」
 1曲が世界をがらっと変えることがある。
 絢香はこの1曲で、亀の恩返しが何なのかを、彼女なりの伝え方で伝えきった。
 ありがとう。

@ おかえり
A 夢を味方に
B ありがとう。
C 三日月

鹿野 淳(MUSICA

5月3日(日) 10年目にして、初めて一緒にステージで愛し合いました。 Do As Infinity!


 なんとも可愛らしい、絵本作家の荒井良二さんのイラストによる「グミとさちこさん」の幕間映像が、ざわめく客席をだんだん鎮めていきます。そしてみんな透明なストーリーの住人にいつしかなってます。
「伝わらないひたむきさは、ないんだね」という少年のナレーションに続いて、ディレイがかった神秘的なギターのアルペジオが鳴らされます。

 Do As Infinityです。

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 白装束を纏った伴都美子とギターの大渡亮が、高く高く2階席よりももっと高い頂きを見詰めるかのように、天を仰いで歌い鳴らしています。
 亀田誠治がほぼすべての音源をプロデュースしているという、亀田が苦楽を共にしてきたDo As。亀田ならではの優しいけど、強く激しいサウンドが、2人っきりの共和国に音楽という華をもたらします。
 二人寄り添うように、ステージをゆっくりと動き回る伴と大渡。ギターソロの前に大渡がいそいそと移動して向かうのは――ですよね、やっぱり亀田の前です。なんだか「ありがとう、いやいや、これからもよろしくな」って音色になっている気がするのは、決して僕だけじゃなかったでしょう。

「亀田さんとはデビュー直後から、お世話になってるんです、ありがとうございます」と伴ちゃんが話すと、「今年で8年、9年の付き合いになるんですよね」と亀田さんが返す。するとすかさず大渡が「亀田さん!? 今年で10年ですよ!! 僕ら途中、中抜けしてたけど(一時期、活動休止していたが、めでたく再結成したことを指してます)、今年で10年です。ありがとうございました!! でも、でも! そんな亀田さんと一緒にライヴをやるのは、今日がはじめてです!!」と嬉しそうに話す。館内、大拍手!! そして亀田はと言えば「そうだったっけ? でも俺、花束贈呈しに行ってことあったよ」と、よくわからぬボケをかまし、それを笑う二人。
 きっとずっと、こうやって一緒にやって来たんだろうね。
 これからもそうなんだろうなあというアットホームな気持ちにさせられながら、次のバラードの調べにココロを奪われていきました。

 その後は、染みるラヴソングが多いこのイベントの中で、群を抜いて快活な8ビートを打ち鳴らし、抜けのいい高音を伴が響かせ、亀田と共に作り上げたDo As節をこれ以上ないテンションで鳴らしまくったハウスバンドとDo As Infinity。
 おかえりという声を受けながら、「早いけど、もう最後」と伴が名残惜しそうに話しながら、最後の“陽のあたる坂道”のストリングスによる透き通ったイントロが鳴り出しました。
 口すざむもの、目を閉じて思い出にふけるもの、たくさんのやり方でこのヒット曲を楽しんでます。名曲は、それぞれの人々が、それぞれの思い出をその曲の中にしまいこんでいます。だから、ヒット曲って、とてもタフなんだよね。亀田と伴と大渡が格闘した末に生まれた「坂道の先にある希望」を歌った曲で、10年目にしてはじめて一緒にステージに立った3人の思い出は、一旦、終了しました。

@ 空想旅団
A 遠くまで
B 遠雷
C 冒険者たち
D 陽のあたる坂道

鹿野 淳(MUSICA

5月3日(日)   恩返しのテーマソング、KREVAが担当しました。番長、ごちそうさまでした!!


 幕間映像「犬と未亡人」の後編が「切ないからこそ、嬉しい」を表し、間髪入れずにボディブロウ喰らったような腹にクる低音が流れます。
 ディス・イズ・KREVA!! 甘い歓声と共に、スタンドが跳ね上がり、みんな腰をフリフリ、ウェルカムKREVAしてます。

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 「みんな今日がスペシャルな日になるように、常にアグレッシヴ!」というMCと共に、“アグレッシ部”。もし、毎日の放課後にKREVAがいたら、この国って目に見えて全然よくなっていくんだろうな?と思うような潔い姿勢。

 そんなKREVAがリスペクトを表しながら紹介したのが、草野マサムネ。お客さんみんな、「そうこなくっちゃ!」と最高のプレゼントを最高の笑顔で受け取ってます。KREAVAお前、やっぱそこまで楽しませてくれるんだもんな、モテるのわかるよ!
「会いたいと思うその時には あなたがいない 今すぐ会いには行けないから あなたがくればいいのに」
 右手でリズムをはかりながら、目をつぶって歌うマサムネ。右手をクルクル回し、マサムネを誇りに感じるKREVAはお客さんをじっと見詰めながら優しく煽ります。ステージ中央で2人が交錯し、「今日は皆様にありがとうを言う機会です。もう1曲、みんなに届けます」と奇跡のコラボレートがさらに続きます。その名は“生まれてきてありがとう”。

 本質を歌にするのは、アーティストとしては相当の覚悟がいります。
 本当の意味で奥の人に強い影響を及ぼすからです。
 でもポップはそこから逃げては手にすることができない、最高に厄介な宝物です。
 KREVAもマサムネも、その「本質を楽しく切なく唱える」ことによって、時を越える名曲を、名アクトを生み出し続けてます。
 そんな2人がここに介し、ハウスバンドの演奏に身を任せて『お前と俺』を歌う。あー、終わらないで欲しい、ここで出逢えた喜びを忘れたくない。だから終わって欲しくない、このコラボレート。いや、亀の恩返し。
「生まれてきてありがとう」と噛み締めるように唸ったKREVAの一声で、奇跡から僕らは目が覚めました。

「スペシャルな時間っていつまでも続いて欲しいよね。帰りたくない! じゃあ、帰らなきゃいいじゃん!!みたいなね(笑)。っていうわけじゃなく、もっとスペシャルにするべく、俺と亀田さんで新曲を作りました。亀田さん、凄い! ありがとうされなきゃいけない人なのに、ありがとうしている。普段は言えないから、ここで言います。亀田さん、ありがとう」と、最高の感謝をかました後、まだリリースも何も決まっていない新曲、その名も“恩返し”が始まりました。
 一万二千人からの最高の恩返し、「手拍子」も最高潮です。ストリングスの金原さんの手拍子なんて、昨日以上に力強く、あー、そうそう、手拍子が歌ちゃってるんだ!! 音楽家は自分の生命を前に差し出せば、それが音楽んなっちゃうんだなあ。すげーなあ。

「ほら、ステージは広いんだけど、気持ちは一つですよ。ストリングスの皆さんの手拍子見ましたか? これですよ! これが亀の恩返しってやつですよ!!」という、ストリングス隊を讃える、KREVAにしかできないカジュアルにして最高に丁寧なマナーを見せつけ、「歌もラップもジャンルじゃねえ。声を放つことに限界はないんだ」というヒップホップ根性も見せつけ、KREVAは汗びっしょりのお客さんからの感謝の拍手を浴びながらステージから去って行った。

 スペシャルな時間って一瞬だけじゃないんだってことを、この2日間のKREVAが教えてくれた。
 ありがとう。

@ 成功
A アグレッシ部
B くればいいのに(WITH 草野マサムネ)
C 生まれてきてありがとう(WITH 草野マサムネ)
D 恩返し
E あかさたなはまやらわをん

鹿野 淳(MUSICA

5月3日(日)  亀に魔性、CHARAの仕掛けた魔法に首ったけ!?



 これまた前日同様、大宮エリー作、藤井保撮影のスチールによる幕間映像「未亡人と犬」が、参加者を心地よく鎮める中、ハウスバンドステージに、メンバーがゆっくりと上がっていきます。

 そして中央ステージには、CHARA!

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 真っ赤な情熱の限りを尽くしたかのような衣装を纏ったCHARAが、まるで舞い降りた天使のようにステージを激しく動き、時にシャウト、時に囁き、あっという間に空間を自分のモノにしていきます。そう、いつだって彼女の歌は「バラッドだから歌い上げて」とか「ハードな歌だけシャウトしていい」みたいな音楽の定型を、あっさりと小気味よく壊していきます。この日もまさにそう。肩の力を抜いた手拍子が、館内を包み込みます。

「楽しいですね、音楽。亀田さん、ありがとう! 私もやってみたい、CHARAの恩返しとか」と絶妙なMCをし、「亀田さんはいつも私のことをチャラオって言うんです」とこれまた絶妙の関係を披露しながら、どんどん歌い続けるCHARA。彼女のポップは音楽が伝えられる最高の「ビター&スウィート」ですが、その苦みばしったスイートネスがハウスバンドの「音の錬金術」と相俟って、独特の輝きを放っています。

 チャラオ!という歓声も飛ぶ中、なんというか「眼力の強い音楽」とでもいうのでしょうか? 真正面から人の心にアピールしてくるCHARAのヴォーカルが、静かな覚醒感のようなものを響かせていきます。僕らは今、何も考えずに、ただただこの歌に乗っかって波間を漂えばいいんだ、みたいな「安堵感」を彼女の歌がもたらす中、

「あれ、あったまっているのはアタシ達だけ? みんなどう?」とボーイズ&ガールズを誘導し、おまけに「亀田さん、今日で終わっちゃうの寂しくない? もっとやっちゃう?」と煽ったCHARA。煽られた我らが亀ちゃん、思わず「ツアーやっちゃおうか!」というCHARAの誘いにその場の勢いで乗りそうになってます。
 一緒に音楽を創りあう者たちのコミュニケイションって、こんなにも可愛いんですよ!

 昨日の椎名林檎とは性質の異なる「魔性」が、どんどん突っ走ります。角度のついたステージをヒラヒラと駆け上り、「なんで抱きしめたいんだろう?」って、そんなこと言われたらもう、みんなモータウン風の2ビートに合わせて手拍子足拍子でCHARAの成すがままっす。 武道館が、「こりゃ一本取られました」とばかりに緩やかに揺れながらCHARAのダンスを歌を歓迎します。負けずに亀ちゃんもホップ・ステップ・ジャンプ!!
 音楽遊園地、完全にあったまりました!

@ Tomorrow
A Cherry Cherry
B o-ri-on
C FANTASY
D あたしなんで抱きしめたいんだろう?

鹿野 淳(MUSICA

5月3日(日)  スピッツは、亀の恩返しという正夢を響かせた


 17時35分より万感の拍手の中、めでたく開幕した「亀の恩返し」。この日も前日同様、メンバー自ら「僕らハウスバンド2ですから」と語るスピッツが登場しました。
 開幕のスクリーンで鶴田真由が「ここは武道館ですが、なんとも手作りなほっこりしたライヴができました」とアナウンスしてくれましたが、まさにそんなイベントのオープニングにふさわしいバンド、スピッツ。まずはギターのテツヤが両手を高く上げて拍手をしながら登場しました。

 昨日は青いシャツで登場した草野マサムネが今日は黄色いシャツに一新し、まずは“春の歌”を爽やかに、鮮やかに歌いました。
「ようこそ亀の恩返しへ。GWどうっすか? 思い出の一ページになるようなイベントにしていきたいので、よろしくお願いします!」と話すマサムネの言葉に乗っかって、崎山のドラムがドコドンッと鳴る。“チェリー”である。あーもう、お客さんのほころぶ顔が一面に花咲いて、いきなり最高の空間、完成です!
 スピッツのライヴはいつも照明が素晴らしくて、光を浴びているだけで最高のポップとアートを満喫できるんですが、この「亀の恩返し、照らしたいチーム」も負けちゃいません。特別なデザインのステージを立体的に、そしてロマンティックに照らす最高の光が、みんなの大好きな名曲を灯していきます。
 というわけで、そこからはスピッツ独自のロックンロール恩返し。もう、ベースの田村の危なっかしいけどスペクタクルなアクションが、武道館全体にアクティヴな一体感をもたらしています。そんなソリッドなバンドサウンドに、真っ向からしなやかに絡むのが、金原千恵子率いるストリングスチーム。ストリングスはスマートかつバラッドやクラシカルな展開に混ざるものだなんて誰が決めたんだ?とばかりに、見事に慄然としたサウンドがロックンロールを奏でます。はい、そう、ここは自由な音だけが集まる楽園です!
「たまにはセンターじゃない場所で歌ってみたいな」というマサムネの要望が叶い、今回は彼が左に、中央にギターのテツヤがいる。テツヤがどうにも嬉しそうだ。これはマサムネからテツヤへの、「いつも最高のアルペジオをありがとう」という恩返しなのか?
「でも実は僕(マサムネ)の場所が空間全体ではセンターなんだって」というオチをつけ、悔しがるテツヤを尻目に始まったのがマサムネならぬ、“正夢”。
 美しい。ただただ、儚くも至福な調べが、美しい。何故スピッツが独自のスタンスを貫きながら、この国のロックとポップの境界線を司る重要なバンドでい続けるのか?その魔法の一欠片を聴かせてもらった気がした。

 最高の「亀田誠治の代弁者たる音楽」だった。

@ 春の歌
A チェリー B メモリーズ
C 水色の街
D 正夢


鹿野 淳(MUSICA

 ほら、凄いステージでしょう! 観たことないでしょう、こんなステージ!?


 というわけで、遂に今日も始まりました。
 昨日と同様に大宮エリー作の鶴田真由さんとなんとも含蓄のある子供さんによって、スクリーンから「開幕宣言のような恩返しご挨拶」が流れてます。
 というわけで、ドキュメントブログでは、昨日までネタバレを避けるべく掲載を控えていた画期的なステージデザインの全貌をお届けします。

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 これ、本当に素晴らしいでしょう。
 説明すると、ステージは「三つの世界」が一つの線となって繋がっているものです。まず、北側にあるステージは「スピッツのためのステージ」。そして向かい側にある南側にあるステージは「ハウスバンドのためのステージ」。その二つのステージに挟まれている第3のステージは「ストリングス隊とグランドピアノのためのステージ」。この三つのステージを一つに線として繋げているという、ほんと観たことがないステージデザイン。このステージを手掛けたのは「spray」というライヴアーキテクト・チーム。今までも絢香やケミストリーなど、数々の特殊ステージを描き続けているチームによる新しい自信作なのです。
 ちなみに、館内に入ってきた参加者がまずアリーナのステージを観て指を指すというのが、早くも亀の恩返し恒例のものとなっています。

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 さあ、いよいよスピッツの登場です!

鹿野 淳(MUSICA

5月3日(土)15時35分、 リハ終わりました。もうすぐ開場です。今日のコラボも、これ、凄いぞー!!



 今日もリハの段階で皆さん汗かいて盛り上がってしまいました。
 我らがスガちゃんなんて、ステージから飛び出して、昇ってはいけないとこまで昇って足元グラグラ、スタッフに注意される始末ですが、そこまで今日を楽しんでいるのかとみんなも感激しながら、絶妙のアンサンブル鳴り止まなかったのでした。

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 本日も昨日同様、プレシャスなコラボレーションが続きます。
 あんな人とこんな人が!? ありえない!!みたいな。
 音楽だけで、亀田さんとの関係だけで繋がっている人達だってぶっちゃけいるわけです。でも曲を鳴らし始めると、あっという間にみんな笑顔。そこに最高にピースフルなサークルが生まれます。
 音楽っていいですね、よく聞く言葉です。
 でもこの言葉、もしかしたら一番味わっているのは、アーティスト自身なんじゃないかなと思います。

 というわけで、15時35分にリハが終わったんですが――それと同時に、ピアノがみんな知っているフレーズを弾き始め、そしてなんと絢香が歌いだしました。
「ハッピバースデートゥユー♪」
 そうです、ハウスバンドのメンバーで今日が誕生日の方がいたんです。
 その方とは―――

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 はい、ドラマーのカースケさんなのでした。
 これは嬉しいよねえ。カースケさんも嬉しいだろうが、仲間である亀田さんをはじめ全員が嬉しいわけです。
 というわけで、ステージには特注の「ドラムケーキ」が!?
 忘れられない思い出が、ここにひとつ生まれました。
 もしかしたら、天の亀からのプレゼントなのかな?

なんにせよ、最高のリハーサルは最高のフィナーレを迎えました。

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 さあ、2日目にして最終日がもうすぐ、開場します。スタッフは最後まで最高のイベントにしようと、汗かきながら最終確認に明け暮れてます。

 さあ、行くぞ!

鹿野 淳(MUSICA

5月3日(日) 13時。武道館、盛り上がってますよ



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 2日目の音が今日も朝早くから鳴っています。なんとCHARAさんに至っては、10時からの「おはようリハーサル」!! スタッフ含めて昨日の疲れもなんのその! すっかり頭が冴えまくったリハーサルが続いています。
 ちなみに13時の時点で、Do As Infinityから絢香にリハーサルが交代しています。今、これを書いている目の前では、絢香がファンタスティック変則ステージを確かめるように執拗に歩き回りながら、本番さながら体を揺らして歌っています。絢香はみんなの想像通り、本当に音楽に真摯なアーティストで、他の方のリハを客席で背筋をビシッとしながらじっくり見詰めていました。昨日も終演後、いろいろなアーティストとお話をしましたが、多くの方は「客として来たかった。だって、全部見たかったから」と楽し悔しな表情で言ってくれました。そう、亀の恩返しはアーティストにとっても、超レアな音楽祝祭なのです。

 一つだけ、今日来場する方にお伝えします。
 亀の恩返し、一旦恩返しが始まると、「感謝に休みはいらねえ」とばかりに、最後の最後までいっさい休憩時間がありません。
 水分補給もグッズ補給も大切ですが、まずは開演前に「かならず」トイレを済ませてください。トイレを済ませ、自分に対して「お務めごくろうさんです!」と感謝してから、どうか恩返しミュージックをお楽しみください。

 今日も愛と優しさと強さに溢れたハウスバンドや素晴らしいシンギングアーティストと共に、春薫る武道館にてお待ち申し上げます。

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鹿野 淳(MUSICA)

亀の恩返し 初日アーティストからのコメント



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★スピッツ
草野マサムネ「まだ終わってないような感じっていうか。いつものライヴとあまりにも勝手が違うから、リハーサルの時からどんなになるんだろう?ってずっと思ってて。1日終わっただけなんだけど、まだリハの続きをしてるっていう気分です(笑)。……本当に変わったイベントで、長い間バンドマンやってるけどはじめての経験ができてよかったですね。奇抜なステージっていうのもあるけど、バンドの転換もあんまり退屈させることないような映像が入ったりして、かなり内容が濃いものになってるなって。俺らが出る出ないにかかわらず、いいイベントです」

崎山龍男「ドラマーの後ろにもお客さんが入ってるから恥ずかしいやら嬉しいやらで(笑)。最初はあちこち見てたんだけど、だんだんニヤけてきちゃって。また明日も楽しみです!」

三輪テツヤ「とにかくいろんな人が関わっているんでね。リハーサルの時から文化祭みたいな感じが、いい意味であったんだよ。亀田さんには悪いけど、無責任な立ち位置で凄く楽しませてもらいました(笑)」
◆無責任じゃないでしょう(笑)。亀田さんがプロデュースしてるイベントで、一番最初を託されたっていうのは、思いっきり責任あったでしょ。
テツヤ「まぁ物理的にバンドは俺達だけだし。亀田さんがどういうふうに表現したいかっていうのもミーティングとかでよく話してくれたから伝わってるんだよね」
マサムネ「気持ちとしては、『ハウスバンドその2』っていう感じだよね」

田村明浩「亀田さんのやりたいことを全部やっちゃおうっていう心意気がいいよね。自分達もイベントをやってるんだけど、まぁいっかっていうところが出ちゃったりするのね。まぁ、自分達のイベントはそういうところが売りだったりするんだけど(笑)。でも今日のライヴは亀田さんが、こうやろう!って言ったらみんなで一直線にそこを目指していくっていう。そう意味では凄く芯の通った強いイベントだったって思う」

崎山「明日はまたメンツが違うので楽しみですね」
マサムネ「今日で勝手がわかったので、明日はさらに楽しみたいですね」



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★秦基博
「音楽を発信する側も受け取る側も、みんなが楽しみに来てるしっていうのが凄く伝わってきて楽しかったです。みなさんに自分らしさをどう聴いてもらえるかっていうので、1曲目は弾き語りしかないかなって亀田さんと相談して。それで自分らしさが届けられるといいなと思って」
◆実は某さんとコラボレートしたわけですが(笑)。
「いやぁまさか自分があの方々の演奏で、あの方々の曲を歌える日がくるとは思ってなかったので、本当にありがたかったですね。あの曲は高校生ぐらいの時に周りのギターキッズが練習してた曲だし、嬉しいだけじゃなくそういう昔の思いもあって」
◆イベント自体、錚々たるメンバーが集まってましたが。
「あんな素晴らしいみなさんと同じステージに立てたっていうのは嬉しいと同時に自分にとっての自信になりました。ここに立てて、自分の中でいろんな感情が生まれてきたので、ここから始まりそうな気がしています、今」
◆それを踏まえて、亀田さんに恩返しをしてください。
「そうですね!」



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★KREVA
「今日やっていて一番感動したのは、亀田さんと一緒にステージを動き回っている時に、音を出していないストリングスのみなさんが残って、俺らが横を通った時にずっとずっと両手を上に掲げて手拍子を続けてくれていたこと。あーいうのって、ほんと感動しますよね。あれだけで参加してよかったーって思いました」
◆“恩返し”というこの日のための新曲を作りました。この曲はどういういきさつから?
「せっかくだから1曲やろうって亀田さんとお互いに言い合って。どっちからともなくあったほうがいいよねっていうことになったんですけど、俺がツアーとか始まっちゃったからずっとできなくてイベント直前になってできたんですよ。さすが亀田さん!っていう。亀田さんだからこそっていう新曲です」
◆ステージも凄く特別なものだったと思うんですね。武道館で数々伝説をやらかしてるKREVAですけど、これはこれで凄かったでしょ。
「いやぁこれは凄いよね。次の俺のライヴでまったく同じステージがあるっていう噂があるんですけどね白いステージが黒になって(笑)。それで亀田さんに招待状を3通ぐらい送ってね(笑)。いやぁでもすげぇよかった。俺は2日間ともレギュラーとして出るので、役割としては盛り上げ役だと思ってるんです。わっしょい系の人がこのイベントってあんまりいないじゃないですか。結果、みんな受け入れてくれたんで、凄く居場所がある感じで楽しくやれました!」
◆明日も明日用の新曲があるんでしょ?(嘘)。
「やべぇ! ダッシュで作んなきゃ!(笑)。明日も明日でガッチリやりたいと思います」



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★JUJU
「楽しかったです! 錚々たるメンバーに混ぜていただいたので、お話をお受けした時から今日のリハまで本当にガクガクだったんですけど。でもバンドの中の空気がもの凄くあったかいのと、『音って楽しいって書いて音楽っていうんだな』っていうのがバンドからも伝わってくるし、本番始まったらお客さんからも伝ってきて。本当に楽しかったです」
◆歌ってみてどうでしたか?
「いや本当に歌いやすかったです。安定感っていうかハウスバンドのスキルのせいでカラオケで歌ってるくらいの安心感があるんですよ。だから大船に乗った感じで落ち着いて歌えましたね」
◆ステージデザインは?
「まーったく! どこ見ていいかわからないですよね。どうしようかなぁと思って亀田さんのほうをチラッと見るたびに、亀田さんが満面の笑みでベースを弾いてらっしゃって、どこ見てもいいんだなぁと思って(笑)。とはいえ緊張しましたけどね」
◆このイベントに参加することで伝えられたことって何かありました?
「この間アルバムを作らせてもらった時にも思ったんですけど、本当に音楽だけでしかできないことって凄くたくさんある気がして。人と人とを繋げたりだとか。今やってる仕事って、お会いしたことのない方々に音を通じて感じて欲しいから作っているんですよね。会ったことない人がいいなって思えるのって凄いなと思って、それってたぶん音楽でしかできないことだと思うんですよね。今日、僭越ながらも出てらっしゃる方の中ではキャリアも短いですけど、微力ながらも誰かの心の中に『音楽っていいなぁ』って伝えられてたらいいなぁと思ってます」



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★平井堅
「自分の力不足を痛感しましたねぇ。音像が違う!と思って、なかなかせめぎ合いがありましたが、勉強になりましたね」
◆でも「僕の亀は元気だ」ったんですよね?
「いやぁ元気じゃなかったんですけど……いや元気でしたよ、元気……(笑)。ていうかね、亀田さんから『誰もたぶん言わないから堅ちゃんは下(ネタ)を言ってね』って言われて、そこでは『言いませんよ!』って言ってたんですけど、僕、人がいいので(笑)。全部亀田さんのためにやってるんですよ」
◆話半分で聞いておきますよ。ステージデザインはどうでした?
「凄く気持ちよかったですね。椎名さんとのコラボレーションも含め、亀田さんからの愛を凄く感じました。それぞれのアーティストの方々のテイストを考えていて。リハの時から、平井堅をカッコよく見せるっていうことをとても考えてくださって。それは感謝ですね。亀田さんは、ザ・ポジティヴっていう感じの方で、僕はザ・ネガティヴなので、どっちかっていうとマイナスとプラスみたいな感じなんですけど(笑)。僕の中でぐちぐち悩んだりしているのを、亀田さんはまず優しく見守って、たまに手を差し伸べてくれるっていう。僕の性格をよくわかってくださって凄くありがたです。今回も、コーラスのアレンジとかステージングとかで僕が悩んでるのをすぐに察知してくださるので。それを全アーティストにやってるかと思うと、亀田さんはバケモンだなって思いますね」
◆林檎さんとのコラボレーションはどうでした?
「あれは林檎さんから頂いたリクエストで。それはもう大好きなアーティストなので嬉しかったですよー。椎名林檎っていうスタイルがあって、MCもあまりやらず白衣を着るっていうコンセプトがあったので、自分もいつもの感じじゃなくてクールにやりました。自己紹介もせずに、クールな完成されたショウにするっていうのをリハーサルの時にも話していて、それをやり切りました。林檎さんはすべて見透かしてる気がして。よしよし、みたいな感じで(笑)。変な汗をかきましたねぇ。彼女はパフォーマーとして、歌唱力も含め他の追従を許さないと思うので、あぁいう方とやるっていうのは非常に贅沢な遊びですよね」



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★椎名林檎
「凄く面白かったです。すぐに終わっちゃったって感じですよね。いろいろなみなさんが出てくる“メドレー感”が楽しいですよね(笑)。私もお客で観たかった。今日出てる方々は、みんな観たかったなと思いました」
◆自分のライヴはどうでした?
「でも今日はなんかラフにステージに出てしまって……それが反省点ですね(笑)。もっと緊張感を持って出なくちゃいけなかったかもって」
◆ハウスバンドの方々は、林檎博に出てる方がもの多かったんですよね? そういうホーム感みたいなのもあったのかな?
「ありましたね。だからリラックスしちゃって」
◆亀田さんに恩返しできた感じはありましたか?
「それがねぇ、ちょっと足りなかったかなと思って。もっといい話とかしたほうがよかったのかなって。ラフ過ぎて演奏でカヴァーできてなかったなと思いました」
◆でも多くを語るより、音楽で伝えたかったんでしょ?
「それ、強かったです。そういうのが師匠にちゃんと伝わったかなぁと、物足りなかったかなぁ思ったりして。まぁ意図はそうだったんですよ」
◆平井堅さんとのコラボはどうでした?
「楽しかったぁ。堅ちゃんが面白いことおっしゃってるから(平井さん自身のライヴ時のMCを指している)、ゆるくなっちゃったっていうのもあったんですよ!」
◆平井さんとは、一緒にやったことはあったんですか?
「1回J-WAVEのイベントでやらせてもらって。あとはカラオケとかかな? 師匠を中心とした繋がりなんですよね。本当はマサムネさんともやらせていただければよかったけど(笑)。だからまたこのイベント、やってくださったらいいのに」
◆亀田さんは自分が林檎さんと始めてから世の中に認められていって、このイベントはそこから10年間の集大成だっていう話をしていたんですけど。
「へぇ! いや、そんなことおっしゃってくださって……聞けば聞くほどもうちょっとできたかなって思ってしまって。嬉しいけどリベンジしたいので、この集大成大会をまたしてくださいって師匠にお伝えください!」



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★亀田誠治
「今日ね、オープニングの映像からスピッツのステージまで、ステージの袖で見てたんですよ。その時に会場が凄く暖かい空気に包まれてるって実感したんです。今日集まってるお客さんは、いろんなアーティストのファンであるにもかかわらず、みんながスピッツの始まりを祝福してる感じがたまらなくて本当に鳥肌が立ちました。これってスピッツの力でもあると同時に音楽の力だなと思って。今日になって、『実現させて本当によかったな』と思いましたね」
◆スピッツは「ハウスバンド2だと思って出した」って話してくれましたよ。
「それは嬉しい! 今まで一緒に音源を作ってきたアーティストとの関係も一個、絆が深まった感じがするの。この領域(ライヴの領域)って永世中立国の亀田としては(笑)、侵しちゃいけない領域だと思ってたの。ライヴという場所でそれぞれのアーティストをプロデュースするっていうのは、それぞれのアーティストが自分の意志でやるもので、入ってはいけない領域だと思ってたんだけど、実際にやってみたらそうではなくて、一緒に感じる喜びがあって、お客さんっていう出口があって。ライヴ会場でひとつになれるっていう喜びがこんなに大きいものだとは想像してなかったです。今日は自分の音楽家としての人生の中で、新しい出発点を得ることができたような気がする」
◆みんな特別な気持ちで、亀田さんとのイベントだって臨んできましたよね。
「嬉しいですねぇ。僕も相当精進しないとこれと同じエネルギーは出せないっていうことがわかった。これは弱音を吐いてるんじゃなくて、それを覚悟してこれからの自分の創作活動であったり――って言っても大半はサポート業務なんだけど、改めて念には念を入れて、情には情を入れてもっともっと重ねていきたいと思いました」
◆明日があるんだから、まだ総括しちゃダメですよ。
「あはははははははははは!」
◆明日はどうですか?
「明日はまた違うアーティストですよね。僕からしたらみんな同じくらいかわいくて同じくらい大事なアーティストで。明日出演するアーティストはこの時点でいいますと、最良の処方を施してます。明日出演するアーティストと一緒に、今日みたいに『やってよかったね』って言い合える絵が見えているので、きっと大丈夫だと思います! また明日!!」

5月2日(土) 21時5分になりました。最後は、アンコール以上のアンコールでした!!



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 椎名林檎のアクトが終わった後、スペシャルハウスバンドを中心としたスペシャルプログラムが披露されました。これまたネタバレを避けるため明記しません。明日のドキュメントレポートを楽しみにしていてください。
 音が笑っている、音楽が笑っている、だから僕らも笑う。
 そんなあっという間のイベント、初日が終わろうとしています。
 最後の最後は、映像によるエンドロールです。出演アーティストのみならず、このライヴに関わったすべてのスタッフの名前が、ロールされていきます。しかもその映像の中で、1人1人に感謝の言葉を唱えていく亀田さんの姿までが映し出されています。なんという「巨大な手作りコンサート」なのだろうか。
中には、マニュピレーターとか、スタジオガイドヴォーカルが何なのかを、詳しく教えながら感謝しているメッセージまでがある。皆さん、亀田誠治とは、こういうアーティスト、いや、男なのです。だからこそ、こんなにも「音楽力」を持ったアーティストやオーディエンスが集まったのです。

 本当は、出演者が恩返しをし合ったり、音楽が客に恩返しをしたり、そういうことじゃないのかもしれない。ここで音楽が鳴ることで「ありがとう」と誰かに言い忘れていたことを思い出したり、僕らに大切なものを取り戻させる。そんな「ありがとうと言える心を取り戻す」音楽祭だったんだと思います。今日世界はささくれ立っています。
 ありがとうはただの感謝の言葉じゃない。ありがとうという気持ちになれば、人は多くを受け入れられるようになる。そんなことを音楽が、感謝の気持ちが込められたアクトが、教えてくれた1日だった。
 21時26分、1日目が終わりました。





 皆さんもご存知のことと思います。忌野清志郎さんが、他界されました。音楽で闘うことと、楽しむことは同じラインの上にあるんだということを表現し続けた、日本のロックの夜明けを照らし出した才人が、闘い続けたガンを抱え、星になりました。
 それでも音楽は鳴り止みません。

 明日も、日本武道館では、最高のバンドマンと最高のアーティストが、たった1日だけの「音楽の宝物」を振り撒きます。
 何故なら、音楽は鳴り止まないからです。

 また明日、ここで逢いましょう。

 鹿野 淳(MUSICA

5月2日(土) 亀田誠治を世に放った女王、椎名林檎


 本日最後の幕間映像、鶴田真由と西島秀俊のアクト、若木信吾の撮影によるスチール写真ストーリー「調教師」(もちろんこれも大宮エリー作の物語です)が流されました。幕間映像のラストにふさわしい「ありがとう」の総集編。平井堅の圧倒的なアクトと、その次に訪れる椎名林檎ライヴの合間にも関わらず、柔らかい表情で優しく頷きながらスクリーンを見詰めている人を多く見かける、このイベントの趣旨を映像にしたストーリーによって「亀の恩返し」はライヴのみならず、家まで持って帰れるメッセージになったことと思います。

 映像が終わりステージに目を映すと――そこには白衣を纏ったハウスバンドの姿が! ん? どこかで見たことあるなあと思ったアナタは生粋の林檎ファンでしょう。そうです、去年行われた椎名林檎の10周年記念博ライヴの時のユニフォームではありませんか!? そこでさらに気づいた方、そうです、今回のハウスバンドは亀田誠治と硬い絆で結ばれた人達ばかりです。ということは、すなわち椎名林檎さんとのコラボレートも多く、ギターの名越さんやドラムのカースケさんをはじめ、去年の林檎さんのライヴに参加したメンバーも多いのです。
 というわけで、白衣バンドが「茜色」の照明に照らされる中、妖艶なるオーラを纏い、しかしこれまた白衣を纏った椎名林檎がステージに登場した瞬間。客席からは巨大な息を呑む声と、大きな拍手が湧き上がりました。
 椎名林檎、降臨です。

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 馴染みのバンドと共に、いきなり“茜さす 帰路照らされど…”。僕の周りでも両手をぎゅっと握り締めながら、祈るように聴いているファンが多いライヴがはじまりました。
 お次は、古のスタンダードポップである“more”を打ち込みと同期させて、クールに、しかしフィジカルに演じていきます。
 さらにその後が、遂にきました、“ギブス”。亀田誠治にとってこの「究極の棺桶ソング(つまり、死んでも肌身から離したくないほど大好きな曲)」という選曲は、椎名林檎からの亀田さんへの最高の恩返しだったのだと思います。

 その“ギブス”の後奏が流れている時に、ステージに謎の影がすーっと広がり、凛とした姿勢で立ち尽くします。
 その男、白衣につき要注意――じゃなかった。よーく見ると、そこには白衣を纏い、サングラスをかけたワイルドかつインテリジェンスな佇まいの平井堅がいました。
 これは最高のメインディッシュでしょう! お次は平井堅が大好きだという“put your camera down〜閃光少女”が始まり、黄金デュエットがここに始まったのです。
 音楽家としての相思相愛が歌唱になった時、そこにメロディの花が咲き誇ります。お互いに自分のスタイルを放ちながら、認め合う者同士の視線だけが突き通す「あら、やるわね」な歌い合いが、プレシャスな瞬間を刻み続けます。
 こんなコラボレート、そんじょそこらじゃみれねーよ。最高に贅沢な「男と女の物語」がここに披露されたのです。

「本日は特別な一日になりました。私もとても多くの方と出会うことができて、楽しんでいます。残念ながら最後の一曲になってしまいましたが――(えぇぇぇぇぇx−−!という多数の声に)『笑っていいとも』みたいになってきましたが(笑)、最後まで楽しんでくださいませ」
 ――と放って最後に奏でられたのは、“丸の内サディスティック”。ピアニカ吹きながら、威風堂々の姿を見せつけ、合間に「師匠―♥!!」と華やかに甘え、そして右手を右に左に振りながら、フリフリアリーナを闊歩。そして野蛮にして美の究極を歌い込める椎名林檎。もう、言うことありません。
 あなたの存在が、最高の「生きていることへのビタミン」、つまり音楽の結晶でした。

 アルバムのレコーディングが佳境の中、師匠のために馳せ参じた歌姫、その想いは多くを語らずとも、フロアの客全員に伝わっていた。
 椎名林檎だけが知っている亀田誠治がいる。
 亀田誠治だけが知っている椎名林檎がいる。
 ため息が出るほど素敵な時だった。


@ 茜さす 帰路照らされど…
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B ギブス
C put your camera down~閃光少女
D 丸の内サディスティック

鹿野 淳(MUSICA
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